2015/01/07

韓国アートブック・フェア「unlimited edition6」レポート


あけましておめでとうございます。
2015年も海馬をよろしくお願いします。

さて、今年最初のブログですが、商品紹介ではなく前年に印象に残ったイベントの報告です。


ずっと書こうと思っていたのですが大分遅くなってしまいました。

お時間のある時にでもご笑覧いただければうれしいです。

イベントというのは、昨年11/1(土)、11/2(日)に韓国ソウルで開催された、UNLIMITED EDITION。これはすこし前に造形大学キャンパスで開催された東京アートブックフェアと同じく韓国版のインディペンデントな本や雑貨の即売会です。

主催は、ソウルの唯一といってもよいリトルプレス専門の書店、your mindで、このブックフェアは今回で第6回目。韓国には教保文庫などの大型書店はありますが、ネット販売が主流のためリアルな本屋が少ないです。そんな中で勢力的に活動している注目の書店ですが、僕も東京アートブックフェアのブースで存在を知りました。

なんで韓国のブックフェアにいこうと思ったかというと個人的なタイミングもありますが、なによりなんにも知らないからで、肯定も否定もできないくらいにイメージがわかないから。それを思ってなんかこのままではいかんと体が動きました。


日本で扱われている洋書はほぼ全てアメリカかヨーロッパのものです。


アジアのアーティストの本はもちろんありますがそれもごく少数で、案外、でもなく厳然と日本にはない。というかあんまり伝えられていないが現状だと思います。流通の問題とかいろいろあるのでしょうが、伝えられてるそれらだけが先端のコンテンポラリーだということになっている気がします。


でもよく考えれば同時代はアメリカやヨーロッパだけではないし、メディアで伝えらないところで日々なにかが生まれているのは当然の話です。


なので、とりあえず知りたい!みた事ないものみたい!というのが大きな理由でしょうか。簡単にいえばただの好奇心。

まずは行って見てみようということで。






会場は、漢江鎮という駅をすぐ出た所にある複合文化空間。

漢江鎮の一駅隣はコム・デ・ギャルソンをはじめとした、ハイファッション系のアパレル・ショップが並んでいる梨泰院(イテウォン)駅で、この辺りは聞くところによると東京でいうと青山のような場所らしく、なるほど落ち着いた街です


少し歩くと、アンディ・ウォーホルやデミアン・ハーストなど、超メジャー級の現代美術が収蔵されているサムスン美術館リウムがあります。あなどりがたいアートスポット!



入り口からはアンディ・ウォーホルの絵がみえる 


ロビーに展示されていた名和晃平の作品
美術館もじっくりまわりたかったですが、時間もないのでそそくさと見終えることにして今回の目的であるフェアの会場へ。



コンテナを利用したスペース。




複合施設のため隣ではヒップホップのイベントが。面白そう・・・

オープン後、見る間に人が集まりはじめ、すぐに建物内は本を求める人、人、人で溢れかえり。だいぶ盛況です。

コンテナを3Fまで使用した空間で、2Fにはトークショーなどのイベントスペースも用意。

出展者は韓国内の若い個人の方が中心ですが、日本からも、ZINE'S MATE(東京アートブックフェア主催)、KOTORITENcommuneなどいくつかの本屋やギャラリーも参加していました。

時間もないので、写真もろくにとらず急ぎ足でブースめぐり。




女性多め。本に飢えています











色々なブースの販売物をまとめてお会計できるもレジ(カード会計も可)もあったのですが一台しかないためずっと長蛇の列。レジ係も大変だったと思いますが、みんな結構待ちました。でも待たされて怒りだすひともなくのんびりした空気だったのが印象的です。

僕も会場を後にする前にお会計しようと思って並んだのですが、20分経っても30分経っても遅々として進まず、迫る飛行機の時間に焦りました。みんな山ほど買ってるし。
なんとかスタッフの方に頼んで先に会計をしてもらって離脱できましたが。

いくつかお店用にも入手してきました!


 
The Kooh の本。1号はひとり遊びがテーマ、2号はストーキングの仕方を特集したりととってもユニークなミニコミ。デザインもGoodです。


横尾&田名網系のテイストを感じさせるポストカード

韓国語のタイポグラフィ&デザインの本


失われていく団地の写真を撮影した写真集
この他もあるので次回また紹介します。
全体の感想としては、とにかく熱量がすごくて、みんな本にめちゃくちゃ飢えているなと感じました。現状の出版で満足できていない人はものすごくいる印象。

作り手はというと、有名な作家をまねたようなものだったり、格好つけたりすることなく、純粋に自分の興味のあることを本にしているひとが多かったように思いました。

日本やその他の国の影響を受けているものはもちろんありましたが、それにしてもひけをとらないくらいスタイリッシュなものもあり、時間をもう少しとっておけばよかった・・というのが反省点でしょうか。
会場のスタッフの方はみんな、your mindの知人の方だったり、ボランティアの方だそうです。なんとか盛り上がってより大きなムーブメントになっていくとよいなと思います。
本の未来はまだ明るい!

一日中続いた会計待ちの列。次回はレジ増大を求む!

久保田)