伊藤晴雨著 「美人乱舞」 (粹古堂書店・昭和7年) ¥42,000-
縛り絵などの責め絵の世界のパイオニア、伊藤晴雨の戦前の著作物です。伊藤竹酔が主催で主に晴雨の本を出版していた粹古堂書店。
悲愴感のあるSMの世界の住人はとかく偏見を持たれがちだと思いますが、案外、この世界には常識的で、世間一般の人よりも知性のある方が多いのです。でなければ、ただの犯罪者になってしまいます。
僕は濡木痴夢男の著作で伊藤晴雨の名を知ったような気がしますが、晴雨っていい名前ですよね。
内容は、題名とおり美人の様々なフェティッシュな様子が文章と絵でかかれています。例えば、「九相観」という項目では小野小町の死体が腐乱して骨になるまでの九つの相を描いたもの。女の島田髷が段々に崩れた様を描いたスケッチ(「島田の壊れるまで)。雪女郎、血を吐く女、スケッチの女湯、など。
どれもこれもユーモアたっぷり、カラーで印刷の雰囲気も良いです。