しかし詩人になるのは難しい
詩人になるのはまだやさしい
自分になるのはほんたうに至難だ
一番近いところが一番遠いのだ
一番親しいものが一番疎いのだ
詩なんて書くのはやめるさ
詩人になることもやめるさ
人間であることもやめるさ
生田長江門下生でプロレタリア詩人になった伊福部隆彦は戦時中に詩作から離れ、老子道体現者として宗教の道に入りました。ダンデス・ダイジがこのニヒルな詩集を読んだ後に只管打座に入って身心脱落に目覚めたというエピソードを「ニルヴァーナのプロセスとテクニック」で紹介していることから、精神世界ファンにも人気のある一冊。
永遠とは、時間ではない
時間を超越した時である
そこにはもう空間もない
物もない
すべてが「如」だけになって
それが永遠を語りかける
この「如」の甚深微妙
古人はその横顔を見て
神と言った
「定本無為隆彦詩集」昭和41年神無書房限定500部 ¥29400(函イタミ)
誠成公倫の開祖、八島義郎の語録。彼は宗教家になる前は山小屋で彫刻を彫りながら貧乏生活を送っていたようです。形而上的物思いに耽りがちな青年が貧乏に苦しみ、神も仏もないと思い、独自の世界観を作り上げて世の中を理解しようとしていく過程がよく描かれています。
「神誼の書 八島義郎師の御言葉」¥21000(少しヌレ)89年初